

11月の全国高校ラグビー大会島根県予選で、出雲を中心とした合同チームが、全国常連の石見智翠館相手に26年ぶりのトライを狙う。立ちはだかる壁は高いが、部員たちは「1回あるかないかの好機を生かして一泡吹かせる」と一矢報いたい考えだ。
「今年こそ奪う」と力を込めるのは出雲3年の鐘推広人主将(18)。出雲は1998年から花園予選決勝でトライを挙げていない。得点も2005年のペナルティーゴールが最後だ。
過去6度、全国大会に出場したが、現在の部員は3年2人、2年3人にとどまる。昨年は松江高専、平田との合同チームで出場し、今年は大社を加えた4校合同で15人をそろえた。
昨年の県予選は0-125で敗れたものの、ハーフウエー付近から密集サイドを抜け出し、ゴール前10メートルまで迫る見せ場をつくった。天野泰輔コーチ(48)は「敵陣深い位置でセットプレーが獲得できればチャンスはある」と強調。鐘推主将らのタックルからターンオーバーし、門脇孟毅選手(18)=出雲3年=、細木駿一選手(16)=松江高専2年=の個人技に託すプランだ。
対する石見智翠館の出村知也監督(34)は、合同チームの気概をたたえつつ「島根ラグビーを支える一員として真剣に戦う。隙を与えない守備で0点に抑える」と話す。
合同チームのメンバーは平日はパスやタックルの基本練習を重ね、4校がそろう週末は連係を確認する。鐘推主将は「低いタックルを決め、チーム一丸でトライをもぎ取る」と意気込んでいる。
大会には、合同チームと石見智翠館のみが出場。11月3日に県立浜山公園陸上競技場(出雲市大社町北荒木)で決勝がある。(佐野翔一)