宇野真一さん(左)から出雲流庭園の特徴を聞く参加者=出雲市浜町、出雲文化伝承館
宇野真一さん(左)から出雲流庭園の特徴を聞く参加者=出雲市浜町、出雲文化伝承館

 出雲地方に見られる出雲流庭園の魅力を学ぶ講座が13日、出雲市浜町の出雲文化伝承館であった。庭園の伝統的価値を残そうと11年前から活動する島根県技術士会庭園文化研究分科会の宇野真一さん(61)が、地域にある出雲流庭園の写真を紹介しながら、特徴や楽しみ方を解説した。

 講座は、斐川の豪農屋敷を移築し、約430坪にわたる出雲流庭園を持つ出雲文化伝承館が、庭の魅力をPRしようと開催。16人が参加した。

 宇野さんは、出雲流庭園について、国重要文化財で松江松平家7代藩主・松平治郷(号・不昧(ふまい))ゆかりの茶室・菅田庵(松江市菅田町)が始まりで、旧松江藩にしか存在しない様式だと解説。特徴は「露地の雰囲気を持った枯れ山水庭園」で立体的な造形は控えめと紹介した。

 切石をずらして配置する短冊石は重なりが大きい点や、大きめの駕籠(かご)石が目を引く点など一般的な庭との違いも披露。枯れ山水でも、敷砂で水を表現していない点も挙げ「日本庭園のセオリーから外れている不思議な庭」とした。

 全国で観光名所となる庭は大名庭園や寺社などに多いとする一方、「出雲流は一般の民家の庭にも共通点があり、つながっている」とし、現在も根付く地域文化としての価値を強調した。

 この日は、参加者が伝承館の庭を散策しながら、短冊石や飛び石、灯籠などを直接楽しんだ。(松本直也)