保存工事が進む国の重要文化財のJR旧大社駅(出雲市大社町北荒木)の活用策を地域住民らが話し合うワークショップが14日、大社行政センター(同町杵築南)で開かれた=写真。参加者は趣ある駅舎を生かし、にぎわいを生み出そうと、「酒蔵」や「そば店」などさまざまな案を出し合った。
24人が3グループに分かれて協議。町内にない酒蔵を設置し、日本酒を通じて観光客が集まる場所にするとの意見や、出雲大社周辺のそば店に長蛇の列ができて食べるのを諦める観光客がいるとの課題から、そば打ち体験ができる施設を推す声もあった。流しそうめんのような「流しそば」を提供するというユニークな提案も出た。出雲市地域おこし協力隊員の鈴木麻美さん(35)=出雲市大社町宇龍=は「地元の人と観光客の交流拠点になってほしい」と話した。
ワークショップは、JR西日本山陰支社と出雲市、山陰中央新報社でつくる大社駅はじまりプロジェクト実行委員会が開催。本年度中に再度開いて意見集約し、2024年度以降に同実行委で検討を進める。
旧大社駅は1924年築で近代和風建築の傑作とされる。90年の大社線廃止で駅舎の役割を終えた。老朽化のため、市が2021年2月から25年12月まで保存工事を実施している。(黒沢悠太)