渡辺格・麻里子著「菌の声を聴け」
渡辺格・麻里子著「菌の声を聴け」

 自家製酵母と国産小麦でパンやビールをつくり販売する鳥取県智頭町大背の「タルマーリー」を経営する渡辺格・麻里子夫妻がこのほど「菌の声を聴け」を出版した。

 夫妻は2008年に千葉県でパン屋を開業。東日本大震災を契機に、より良い水を求めて蒜山にほど近い岡山県に移住した。さらに野生の菌だけでビールも醸造しようと考え、智頭町の元保育園を改装して、パン、ビールづくりのほか、カフェを運営している。

 タルマーリーのものづくりは常識にはとらわれない。排除の論理に異を唱え「美味(おい)しくないものがあってもいい」と言い切る。その姿勢がビール醸造では厄介者とされた乳酸菌を使った「サワービール」を生む。夫妻が求めるのは環境保全型の地域内循環。タルマーリーの商品は智頭の地域振興にも大きく貢献している。

 ミシマ社・1980円。