性的マイノリティーが暮らしやすい環境について考える益田高校の生徒=益田市七尾町、同校体育館
性的マイノリティーが暮らしやすい環境について考える益田高校の生徒=益田市七尾町、同校体育館

 LGBTQといった性的少数者をテーマにした授業がこのほど、益田市七尾町の益田高校であった。人権について自ら学ぶ3年生3人が企画。同級生約70人が性の多様性を前提とした学校環境の在り方を考えた。

 同校の生徒は、社会的な問題や地域課題の解決に向けた提案型の探求活動に取り組んでいる。講師を務めた柴毬恵さん(17)、岩井くるみさん(17)、有福風香さん(17)は1年前から人権問題に興味を抱き、性的少数者に対する生徒の常識を更新しようと授業を企画した。

 3人は「益田高校では本年度から女子のパンツスタイルが制服に採用された」と前置きし、スライドを使って体の性とは異なる心の性を持つトランスジェンダーについて紹介した。

 参加者は5、6人ずつの班に分かれ、トイレや髪形など、学校生活で性が関わっていると感じられる点を紙に書き出し、性的少数者が快適に過ごせるための改善点として個室で男女が利用できる「多目的トイレ」の設置などを挙げた。

 有福さんは「マイノリティーにとって暮らしやすい環境は、マジョリティーにとっても暮らしやすい社会だと思う」と趣旨を説明。

 参加した両見菜央さん(17)は「あらためて性的少数者について説明を聞き、気づきがあった。(益田高校の制服に)男子のスカートも採用されれば良いと思う」と話した。(中山竜一)