
―2024年に発売した新型田植え機の売れ行きが好調です。
10年ぶりに改良したフラッグシップモデル「XPS(クロスピーエス)」は、業界最速の植え付けスピード(当社調べ)を誇り、大規模な水田農業の効率化に貢献します。農地集約の進む韓国でも高い評価をいただき、2年連続で年間200台以上を輸出しており、順調な滑り出しとなっています。業界最速という強みを武器に国内の他社ユーザーにもアピールしていきます。
―「ならでは商品」の販売促進を強める方針です。
国内業界4位の当社が価格勝負に陥らず勝負するには、私たちしか持っていない「ならでは」の商品が大切です。田植えと同時に田面に紙を敷き、除草剤を使わずに雑草の発生を防ぐ「紙マルチ田植機」はその最たるものです。発売は1997年ですが、有機農業へのニーズが高まる中で、今追い風が吹いています。島根県大田市や埼玉県幸手市と連携協定を結び、地域ぐるみで良さを体感してもらいながらPRを進めています。

―社内では若手のみならず、中間層の育成に力を入れておられます。
主任クラスを対象に15人程度を選抜し、半年間にわたるマネジメント研修「ネクスト リーダーズ キャンプ」を開いています。優れた意思決定には経営の幅広い知識が欠かせません。経営リテラシーを学び、自ら考えて行動し、殻を破り変革してほしい。奥ゆかしい社内風土を変える刺激になるのを期待しています。
―先を見据えた事業戦略を教えてください。
国内市場が縮小する中、当社の技術や知見を活用し、何か新しい事業を興したいと模索しています。同時に、これからは「共創」と「挑戦」がカギです。自前主義を捨て、目的を共有できる社外の人たちと一緒になって新しい付加価値を生み出していくことが重要です。同業メーカーに限らず、農家さんや異業種、地域のステークホルダーと共同生産や運営、協業することで、コスト削減やイノベーションを図ります。


目の前のことに全力で集中し、自ら考え行動できる人を求めています。世の中の流れに流されるのではなく、人とのつながりや与えられた機会を大切にし、自分の価値を高める努力をしてほしいと思います。ともに成長できる仲間として挑戦していきましょう。
齋藤 徹 氏=東京都出身(65歳)2021年に現職に就任. フランス語検定準1級を目指し、週に一度オンライン研修を受けながら学習を続けています。先日はリフレッシュもかねて一人でフランスを訪れ、日々の学びを現地で実践しました。将来の目標は、フランス語の通訳案内士として観光ガイドをすること。仕事以外の何かに没頭できる時間がバランスを保つ上でも大事だと感じています。
