総額150億円を見込む松江市役所本庁舎の建て替え事業の起工式が16日、同市末次町の現地であった。市は3月8日に1期工事に着手し、2027年春の事業完了を目指す。2段階に分けて建設する新庁舎は25年秋の完成を見込む。

 市によると、新庁舎は地上6階、地下1階の免震構造で、延べ床面積は約2万5千平方メートル。2階から6階にかけてテラスが段々状に張り出す外観を採用し、駐車場は現在より50台多い計412台分を設ける。

 1期工事では、宍道湖側の駐車場敷地に新庁舎の南側半分を建て、23年春から25年秋までの2期工事で残る半分を建設する。3期工事では別館の解体や外構工事を行う。仮設庁舎は設けず、完成した建物に引っ越しながら業務を続ける。

 起工式には市幹部や市議、施工業者など約50人が出席し、松浦正敬市長は「市のシンボル施設を建設することの責任の重さに身が引き締まる思いだ」とあいさつした。

 老朽化が進み、耐震強度が不足する市役所本庁舎の建て替えを巡っては、松浦市長が15年に現地建て替えの方針を表明。その後、市民に対する説明責任が十分に果たされていないとして、市民団体が約1万4千人分の署名を集めて住民投票条例の制定を直接請求し、市議会が否決する経緯をたどった。

 松浦市長は今期限りでの退任を表明し、4月の市長選には無所属新人の2人が立候補を予定。建て替え事業についてそれぞれ出馬会見で、上定昭仁氏(48)は「市民や関係者の声に耳を傾け、今後の方針を決めていく」、出川桃子氏(43)は「ゼロベースで再検討するべきだ」と訴えている。