耐火扉や自動温湿度管理機能を備えた新しい収蔵庫
耐火扉や自動温湿度管理機能を備えた新しい収蔵庫
記念特別展「安来ゆかりの美術家たち」の展示品を鑑賞する関係者=安来市広瀬町布部、市加納美術館
記念特別展「安来ゆかりの美術家たち」の展示品を鑑賞する関係者=安来市広瀬町布部、市加納美術館
耐火扉や自動温湿度管理機能を備えた新しい収蔵庫 記念特別展「安来ゆかりの美術家たち」の展示品を鑑賞する関係者=安来市広瀬町布部、市加納美術館

 改修工事中だった安来市広瀬町布部の市加納美術館が19日、リニューアルオープンする。記念特別展「安来ゆかりの美術家たち」を同日から7月12日まで開き、会期中は入館無料にして来場者に楽しんでもらう。18日は完工式と内覧会があり、収蔵保管やバリアフリー機能が充実した施設を関係者が見学した。

 フィリピンの日本人戦犯の赦免運動に尽力した地元出身の画家・加納莞蕾(かんらい)(1904~77年)の作品や資料を中心に展示する市加納美術館は、莞蕾の長男溥基(ひろき)氏(故人)が私財を投じて1996年に開設。2002年に合併前の旧広瀬町に寄贈した。

 建物は鉄骨造り一部鉄筋コンクリート造り2階建て(延べ床面積約800平方メートル)で、老朽化とバリアフリー対応のため、昨年9月から一時休館して工事を進めていた。

 玄関付近の段差を解消したほか、ベビーシート付きトイレを整備。収蔵庫を移動・拡張して耐火扉や温湿度の自動制御機能を新たに追加した。改修に伴い、展示室の全体面積は15%ほど減ったが、可動壁の設置やレイアウトの工夫によって展示できる作品数に大きな変化はないという。事業費は約1億2千万円。

 式典には安来市や同館、工事関係者など約20人が出席。田中武夫市長が「地域の文化振興の拠点として一層の発展を願う」とあいさつし、完工を祝った。

 記念特別展は、市内の公共施設が保管する絵画、彫刻、陶芸、書など計51点を披露。河井寛次郎や米原雲海といった巨匠の作品も並ぶ。莞蕾と地元出身の蒔絵(まきえ)師・大谷歓到(かんとう)の業績を伝える企画展も同時開催する。

 開館時間は午前9時~午後4時半。火曜日休館。

 (渡部豪)