松江市が作成した新庁舎の外観イメージ
松江市が作成した新庁舎の外観イメージ

 松江市役所本庁舎(松江市末次町)の現地建て替え事業に関し、市が20日、実施設計の作成過程で建設工事費を削減したものの総事業費は150億円のままになると明らかにした。巨額の事業費を疑問視する市民の声を受け、コスト削減が可能な項目を洗い出して約4200万円減らしたが、老朽化した机や椅子などの更新費が想定より膨らんだとしている。

 市議会新庁舎建設特別委員会(立脇通也委員長、9人)で報告した。

 市によると、市民の憩いの場として整備するテラス(屋外スペース)に設置する手すりや、外壁、庁舎内の天井、内壁、床に汎用(はんよう)性の高い材料を採用することで、安価に仕上げられると説明。再生材のウッドデッキを使う2階を除き、テラスの素材をコンクリート平板に変えてコストを抑え、市民が利用しない文書庫棟や車庫棟などの窓ガラスの断熱性グレードを下げることにした。

 この結果、総事業費の大半を占める建設工事費が、基本設計の段階で見込んだ136億5400万円から136億1200万円に減額できるとはじいた。

 市民から事業規模の再考を求める声が上がったことを踏まえ、市が基本設計の中から経費削減できる項目を抽出。設計業務を委託する石本建築事務所大阪オフィス(大阪市)、小草建築設計事務所(松江市)、矢野建築設計事務所(同)の3者でつくる共同企業体に指示して金額を算出した。

 一方、市は現庁舎の執務室や市民の待ち合いスペースで使っている備品を新庁舎でも再利用するが、経年劣化で破損した机、椅子、棚などが多数あり、新規購入の必要数が具体化したため「その他経費」が約4千万円増となったという。

 市はこれらを盛り込んだ実施設計を基に入札を行い、12月下旬に請負業者と契約を結んで、来年1月以降の工事着手を予定する。