■短歌■ 安部 歌子選

新米のおにぎりありと大書したのぼりはためくコンビニの秋    雲 南 石飛 榮一

  【評】上句の具体でこの一首が膨らんだ。新米のおにぎりとコンビニの組み合わせも 絶妙。のぼりがはためいている抜けるような青空も見えてくる。体言止めも効果的。

枯れてゆく老人のふりしてるけど胸には熱き望みもあるぞ     米 子 倉井 正喜

  【評】年は取ったけれど心まで老いてしまったわけではない。作者の力強い心意気が 伝わってくる。一読そうありたいとはっとさせられた一首であった。老いても心は青春。

名月を電話ボックスの...