総事業費150億円と見込まれる松江市役所本庁舎(松江市末次町)の現地建て替え事業について、市が16日、市内の別の場所に移転新築した場合、総事業費が8億~10億円程度高くなるとの試算を明らかにした。防災対策を実施済みで、そのまま活用する予定の本館西棟の解体費用などを計上する費用があるためとしている。

 8月末に市議会新庁舎建設特別委員会(立脇通也委員長、9人)から説明を求められ、基本設計を基に算出した。

 市によると、移転先は市が所有する島根県立プール跡地(学園南1丁目)とホテル宍道湖跡地(西嫁島町2丁目)の2カ所を想定。地下駐車場の有無が異なるものの、どちらも現地建て替えの場合と同じ6階建ての建物で試算した。

 景観との調和を目的としたテラスの設置費(2億8千万円)や仮設庁舎の建設費(3億6千万円)が不要になる一方、新たに2億8千万円の再設計費や17億2千万円の本館西棟の解体費が必要になるとの前提で金額をはじいた。

 この結果、設計費、建設工事費、備品購入費などを合計した総事業費は、県立プール跡地だと157億8千万円、ホテル宍道湖跡地では159億5千万円となり、現地で建て替えた場合を上回った。

 このほか、設計をやり直すことに伴い、34億円分の国の有利な起債制度が使えなくなり、事業の完了時期も2027年3月を見込む現行計画より、1年9カ月以上延びるとした。

 市役所本庁舎の建て替え事業を巡っては、県立プール跡地への移転新築を求める市民団体が9月、3階建てに抑えることで概算106億円で建設できるとの試案を発表した。団体によると、この金額には再設計費や本館西棟の解体費は含まれていない。

 市は、12月下旬に請負業者との本契約を結び、来年1月以降に工事着手を予定する。担当職員による出前講座の利用を市民に呼び掛けているほか、試算結果の概要を20日朝刊の新聞折り込みチラシで紹介する。