感染予防のために用意したフラフープなどを確認する教員=松江市上大野町、大野小学校
感染予防のために用意したフラフープなどを確認する教員=松江市上大野町、大野小学校

 コロナ禍2年目の今夏、島根県内で小学校のプールに入れる児童が昨夏に比べて大きく増えそうだ。昨年は密を避けるために、19市町村のうち15市町村の教育委員会が水泳授業をやめたが、今年中止を決めたのは出雲市のみ。他の市町村では大半の学校が感染予防に努めながら授業に臨む。   

 

 「2年ぶりの水泳授業を子どもたちも待ち焦がれている。最大限の配慮をする」と話すのは松江市立大野小(児童数29人)の井上浩子教頭。同市は昨年、全小学校で中止となったが、今年は実施を基本に各校の判断に任され、32校中、大野小など26校が授業をする。

 大野小では着替えにプールの更衣室を使わず、教室や体育館など広い場所を使用。プール内で2人一組になる際に、手をつなぐことをやめてフラフープを持って距離を保つなどの対策を取る。

 一方、同市内の母衣、川津、古志原、法吉、古江など6校は中止を決めた。「児童数が多く対策が困難」「密を考慮した着替え場所が確保できない」などが理由という。

 昨年に続き、全33校の中止を決めた出雲市教委の福間耕治学校教育課長は「授業をやりたいが、国のガイドラインに従いながらでは難しい。入水中に児童同士がマスクを外したまま接近する可能性が高く、着替えの際にも更衣室を閉め切るので密になる可能性がある」と説明する。

 水泳授業には水難事故予防の狙いもあり、市内小学校の教頭は「2年続けて授業がないのは技術的にも心配だ」と話す。代わりに鉄棒やマット運動を予定する学校もある。

 そのほか、中止を決めた学校は益田市と邑南町で1校ずつなどとなっている。