見事におぞましいタイトルだ。昆虫採集の蝶(ちょう)のように、人間を標本にすることができたら―。そんなダークな想像力を羽ばたかせる湊かなえさんの新刊のテーマはずばり「親の子殺し」。「究極、何があったらそんな決断をするのか」を突き詰めたと語る。

 デビュー時から温めていたというモチーフを、一人娘が成人するタイミングで満を持して書き上げた。...