特別展「平成の大遷宮 出雲大社展」で岡宏三専門学芸員(中央)の説明を受ける立花隆さん(左)=2013年5月、出雲市大社町杵築東、島根県立古代出雲歴史博物館
特別展「平成の大遷宮 出雲大社展」で岡宏三専門学芸員(中央)の説明を受ける立花隆さん(左)=2013年5月、出雲市大社町杵築東、島根県立古代出雲歴史博物館

 ジャンルを問わない森羅万象を扱った立花隆さんは古代出雲にも大きな関心を持ち、島根県内に足跡を残した。案内した専門家や親交があった関係者が、あくなき好奇心と発想の豊かさの一端を語った。

 立花さんは2013年5月、出雲大社の本殿遷座祭を機に島根を訪問。県立古代出雲歴史博物館(出雲市大社町杵築東)で特別展を鑑賞した。

 案内した岡宏三専門学芸員(54)は、よれよれの服装を思い起こし「風体にこだわらず探究に集中する人だった」と話す。

 特別展の内容にとどまらず、本殿の修繕に携わった職人を紹介した写真パネルについて熱心に質問したという。「担当者と酒を飲みながら腹を割って話したいと言われ、取材観が通常の人と違った」とした。

 立花さんは若い頃、文芸春秋の雑誌記者として活躍した。

 立花さんが退社後、入れ替わりで記者となった高橋一清さん(76)=益田市出身、『湖都松江』編集統括者=は、なお出入りしていた立花さんと席を並べていた。

 「すさまじい探究心と集中力だった。お茶を差し入れても『今は書くんだ、気遣いはいらない』と原稿に向き合っていた」と、その背中を思い出すという。

 立花さんが出雲大社を訪れたのとは別の機会に、高橋さんが島根を案内した後も、「和譲」を旨としたオオクニヌシの国譲り神話について話していたといい「『分からなかった保守政治のやり方が分かった』との言葉が印象に残っている」と振り返った。 (多賀芳文)