「山陰地方の海岸には『アオイガイ』がよく打ち上がる」。記者が進学先の大学を考えていた高校2年生のころ、SNS(会員サイト)でこんな情報を入手し、それをきっかけに島根大への受験を決めた。入学からほどなくして、海岸の漂着物を歩きながら探す「ビーチコーミング」に熱中し、冬の日本海の荒波が運ぶ多種多様な漂着物に魅了された。冬こそ「アツい」海のアクティビティー、ビーチコーミングを米子市で実際に行った。

ビーチコーミングをした弓ケ浜。遠方には冠雪した大山を望む=米子市新開4丁目


 ■多様な漂着物、”珍客”も見つかる

 英語で櫛(くし)を意味するコーム(comb)とあるように、海岸を梳(す)くように丁寧に探し歩くのがビーチコーミングだ。さまざまなプラスチックごみや貝殻、大型藻類をはじめ、冬の日本海沿岸には多様な漂着物がみられる。時にダイオウイカやアカウミガメの甲羅といった”珍客”が見つかるからやめられない。中でも記者が主目的としているのがアオイガイだ。

海岸に打ち上げられた全長1・5メートルほどのダイオウイカ。左側の500ミリペットボトルと比べると大きさが実感できる=2022年3月10日、松江市鹿島町古浦


 アオイガイは殻をもつタコの一種。...