生まれ育った地域を盛り上げようと、松江市宍道町上来待の主婦犬山幸穂(さちほ)さん(30)が31日、飲食やシャボン玉パフォーマンスなどを楽しむイベントを、地元の宍道農村環境改善センターで開く。「子どもからお年寄りまで喜んでほしい」と意気込む。
0歳から10歳まで4児の母。子育てを通じ、地元の人口減少を実感した。温泉施設が休館し、にぎわいも減少。介護職の経験から、運転免許証を持たない高齢者の生活維持にも危機感を抱き、「過疎地を盛り上げる会」を立ち上げて、1月にイベントを開いた。
最初は40人ほどの来場だったが、次第に出店者や来場者が増えた。31日は軽食やコーヒー、創作和菓子など飲食物、手作り雑貨、メダカの観賞・販売など約30ブースが並ぶ。
犬山さんは気持ちの浮き沈みが激しくなったり、意欲や集中力が低下したりする精神疾患とも向き合い、ヘルパーの援助を受けて生活する。
イベントを自力で開き、賛同の輪が広がるにつれて自信がつき、病気をオープンにできるようになった。「隠していた時は生きづらかったが、困ったら『助けて』と言えるようになった」と振り返る。
活動の背景には、病気や障害に悩む人たちへの思いがある。「障害があっても大丈夫だと伝えたい。希望になれたらうれしい」と、誰もが生きやすい地域を目指して力を尽くす。
イベントは午前10時半~午後2時半。問い合わせはインスタグラムinu.sachi
(山口春絵)