ヘアドネーションのために切った髪を手にする原田悠楓さん(右)と妹の莉桜さん=益田市中島町
ヘアドネーションのために切った髪を手にする原田悠楓さん(右)と妹の莉桜さん=益田市中島町

 益田市内に住む小学生の姉妹が、病気の治療などで髪に悩みを持つ子どもたちへのヘアドネーション(髪の寄付)に使ってもらおうと、それぞれ40センチ、60センチ切った。市立吉田小学校4年の原田悠楓さん(9)と同小3年の莉桜さん(8)。悠楓さんは2021年以来2回目で、莉桜さんは人生で初めて髪を切り寄付した。2人は「頭髪に悩みを抱える人の役に立ちたい」と話している。

 ヘアドネーションは、病気や事故で髪の毛を失った子どもたちのために、寄付された髪を使って医療用ウィッグ(かつら)を作り、無償提供する活動。提供する髪の長さは31センチ以上が条件となる。

 悠楓さんは1年生だった21年7月末に母親の優美さん(47)の勧めで、40センチ切ってヘアドネーション普及に取り組む益田ライオンズクラブ(益田LC)を通じて寄付した。「そのときからまたいつかしたいと考えていた」という。

 生まれてから一度も髪を切ったことがなかった莉桜さんも、姉の話を聞き「私もしたい」と考え、3月中旬に、市内の美容室で2人一緒にカットした。

 それぞれ切った長い黒髪を前に、悠楓さんは「(ウィッグを)受け取った人が喜んでくれれば」とはにかんだ。2人は今後も伸ばして数年後に再びヘアドネーションする考えという。

 今回も益田LCを通じて活動団体に寄付する。母優美さんは「誰かのために役に立ちたいという思いを抱いており、親として誇らしく思う」と2人に優しいまなざしを向けた。(中山竜一)