19日(月曜日)は「敬老の日」。おじいさん、おばあさんに感謝の気持ちを込めたプレゼントを渡す機会だ。贈り物をしたいが、何を渡せばいいのか迷っている人も多いと思う。ギフト店やショッピングセンターで人気の商品やお薦めの品を聞いた。(Sデジ編集部・宍道香穂)
▷地元ならではのギフトが人気
まずはギフトを豊富に取り扱うフジキ田和山店(松江市田和山町)の錦織健二店長に話を聞いた。
錦織店長によると「大手メーカーのギフトも用意しているが、人気があるのは地元ならではの商品」と話した。島根和牛や鳥取和牛を使用したレトルトカレー▽老舗しょうゆ店のオリジナルドレッシング▽地元民に愛される喫茶店のドリップバックコーヒー といった「山陰ならでは」のギフトは地元の良さを再発見してもらえるいいプレゼント。また、遠く離れた場所に住んでいるお年寄りには新鮮な贈り物になって喜ばれそうだ。


また、錦織店長は「小さいお子さんが、お小遣いの中で購入できるものとしてはハンカチや飲み物、お菓子もお薦め」と話した。店には秋の訪れを感じられるスイートポテト(540円)や、お湯を注いで作る「和栗のラテ」「紫芋のラテ」「りんごのラテ」(各540円)といったかわいらしいギフトも多く並んでいる。
▷お酒好きには「飲み比べセット」
お酒が好きなお年寄りにお薦めなのは地酒。山陰には多くの酒蔵があり、蔵ごとの日本酒の味わいを楽しむことができる。フジキ田和山店では李白酒造(松江市石橋町)の「李白」や米田酒造(松江市東本町)の「豊の秋」、簸上清酒(島根県奥出雲町横田)の「玉鋼」「七冠馬」といった地酒を豊富に取りそろえている。錦織店長は「日本酒にはさまざまな味がある。単品商品よりは、異なるお酒が3本入ったセットや飲み比べセット(3465円)がよく出ている」と傾向を話した。味の違いを楽しめるセット商品はお酒好きに喜ばれそう。

▷「体験」のプレゼントも
錦織店長は「グルメカタログや産地直送便も人気」と話した。相手に好きな物を選んでもらえるカタログギフトは、お祝いのお返しとしても重宝される。フジキでは3500円~1万3970円まで5種類のカタログギフトを用意し、和牛やシジミ、海鮮、果物、スイーツ、雑貨といったギフトから商品を選ぶことができる。地元の人にはもちろん、遠く離れた人に山陰地方のおいしいものを送るのは喜ばれそうだ。物だけでなく、温泉旅館の食事付き宿泊といった「経験」をプレゼントすることができるのも、すてきな贈り物のスタイル。
産地直送ギフトは山陰地方の肉や魚、地ビールを生産者から直接届けてもらえる(送料は商品代金に含まれる)。

▷ショッピングセンターの人気は?
次に出雲市大塚町のショッピングセンター「ゆめタウン出雲」で商品を紹介してもらった。ゆめタウン出雲ライフスタイル部門の現海志穂子次長は「新型コロナウイルスの感染拡大がピーク時より収まってきて、少しずつ体を動かそうという人が増えているためか、運動器具や睡眠グッズなど、健康用品がよく売れている」と傾向を話した。
▷快眠グッズで心身ともに健康に
最近は寝具、特に枕が人気という。「医師がすすめる健康枕」(5500~8800円)は形状や固さによって5種類を展開する。寝具メーカーの西川(東京都中央区)と整形外科医院が共同開発した枕で「肩楽」「首楽」「横楽」など、こりが気になる部分や寝る姿勢に合わせて形状を選べる。
体型や姿勢に合わない枕を使っていると、肩こりや首こり、いびき、歯ぎしりなどにつながり、疲れが取れにくくなるという。お年寄りに体をいたわり健やかに過ごしてもらうには、喜ばれるプレゼントになりそう。

寝具のほか、心地よい触り心地のパジャマもお薦めとのこと。パジャマは敬老の日の定番プレゼントの一つで、毎年人気という。現海さんは今年のお薦めとして「ベスト付きパジャマ」(4290円)を紹介した。長袖のパジャマとふわふわの「ボアベスト」がセットになった商品で、これからの季節に重宝しそう。同じく、ふわふわのボア素材でできた上着(3190円)もある。半袖で、丈は胸の下辺りまでのデザインのため、パジャマの上に羽織っても動きやすそう。冷えやすい首や肩を重点的に温められるのがうれしい。


これから冬にかけて気温が徐々に低くなり、特に夜や朝は冷え込む。温かいパジャマや身体に合った枕があれば、秋や冬の厳しい季節を健やかに過ごしてもらえそうだ。
高齢者でも健康を維持するためには運動も大切。適度な負荷をかけながら足踏み運動ができる「健康ステッパー ナイスデイ」(9878円)は人気商品の一つという。ウオーキングやランニング、ジムにはなかなか足を運べないという人も、器具があれば自宅で気軽に運動ができる。コロナで外出の機会が減って衰えがちな足腰の筋力を無理なく鍛えてもらい、元気な毎日を過ごしてもらいたい。

▷美容品やお酒も
美容用品をギフトとして購入する人も多いという。美肌の基本は保湿。いつまでもきれいでいてねというメッセージを込めて、話題の化粧水や保湿アイテムを贈るのも喜ばれそう。また、ゆめタウン出雲の美容品コーナーではさまざまなウィッグも取り扱っている。価格帯は約3万~12万円。少し値は張るが、頭頂部のみをカバーできる「トップタイプ」は比較的お手頃に購入できるという。ワンポイントで装着するだけでも髪にボリュームが出て、印象がぐっと華やかになる。

お酒好きには日頃飲まないような珍しいお酒や、話題の商品も人気があるという。地酒や焼酎、ワインもいいが、最近はクラフトビールの人気が高まっている。
ゆめタウン出雲は新商品の「キリン スプリングバレー シルクエール」(350ミリリットル6缶入り、1628円)を取り扱っている。キリン(東京都中野区)がもともと生産、販売していたクラフトビール「スプリングバレー」の新味で、きめこまやかでまろやかな味わいを楽しめるという。芳醇(ほうじゅん)な香りの「スプリングバレー」との「飲み比べセット」(それぞれ1缶入り、546円)もある。

クラフトビールは地域性や作り手のこだわりが反映されているのが特徴で、個人など小規模な醸造所で作られているイメージだが、近年は大手メーカーのクラフトビールも登場している。お酒好きのおじいさん、おばあさんと一緒に飲み比べて、味の違いを語り合うのも楽しそう。
敬老の日は母の日や父の日と違って定番アイテムがなく、何が喜ばれるだろうかと悩みがちだ。ギフトショップやショッピングセンターの店頭では、便利グッズや衣類、飲み物や食べ物など、さまざまな選択肢があると感じた。母の日や父の日、敬老の日は何か贈り物をしようと思っても、うっかり忘れてしまいがち。記念日は日頃の感謝や相手を思う気持ちを伝える、いい機会。今年はタイミングを逃さず、心のこもった贈り物をしてみたい。