全国で公衆電話が姿を消している。携帯電話の普及で利用者が減り、山陰両県でも撤去が進み、縁遠い存在になりつつある。このままなくなってしまうのか。調べてみると災害時の救世主として、重責を担っていた。

 松江市灘町の白潟公民館は3月末、1台あった公衆電話がなくなった。サークルを終えた住民が公衆電話で迎えを頼む、かつて当たり前だった光景は見られなくなった。最後に使われたのは2022年7月だった。

 設置しているだけでも基本料金は約3200円。年間で4万円近くかかっていた。公民館は経費削減の一案として、松江市に確認すると「使用がないなら…」と許可が出た。1月にあった公民館運営協議会でも、撤去に異論はなかった。

白潟公民館の公衆電話。利用者がおらず、3月末で撤去された=松江市灘町


 市内の公民館には、災害時に避難所になった場合、無料で使える災害時用電話もある。松本道博白潟公民館長(66)は「公衆電話が必要な場面がなくなった。防災備品を買ったほうが利用者のためになるはず」と話した。

 

 1500台が1100台へ

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