2023年9月の安来市議会本会議中、田中武夫市長が「今、情報が入った」と告げると、市議から拍手が湧いた。

 市が設置を求めてきた山陰道の「安来スマートインターチェンジ(IC)」(仮称)について、国土交通省が準備段階調査に乗り出すとの一報だった。

 設置場所は同市切川町の県道切川バイパスと山陰道の立体交差箇所付近で周辺には水田が広がる。スマートIC実現の道筋が付いたことは、市が目指す市街地化の大きな後押しとなる。

 24年1月には、スマートIC近くで電子部品製造の出雲村田製作所(出雲市斐川町上直江)の工場新設計画が浮上した。山陰道南側で最大20ヘクタールの用地を取得し、30年ごろの完成を目指す。将来的に千人規模の体制で操業する計画は、地域に大きなインパクトを与えた。

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 協議の決め手

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