「特に変わりないですか」。3月中旬、安来市立病院(安来市広瀬町広瀬、148床)の堀尾謙介総合内科部長が近くの男性(86)の自宅を訪れ、健康状態を確かめた。
男性は肺を患い、歩くのもつらい。以前は数百メートルほどの通院もタクシーを使った。2022年秋、同病院の訪問診療を利用するようになり、「安心感があって大助かり」という。
同病院は21年度に総合内科を設け、訪問診療、訪問看護、訪問リハビリテーションといった在宅医療サービスを始めた。訪問件数は21年度572件、22年度1302件、23年度は24年2月末までで1841件と伸び続けている。
在宅医療の拡充は患者の獲得にもつながった。人口減少や医師不足で外来患者が減り続け、新型コロナウイルス禍もあって20年度は5万800人にまで落ち込んでいたのが21年度5万1200人、22年度5万1800人と増えてきた。
▼総合診療を強化
24年3月末に市が策定した同病院の経営強化プランが掲げたのは、...