新型コロナウイルスワクチンの職域接種について、山陰両県の58企業・団体が申請したのに対し、38企業・団体が国の承認を受けられておらず、実施の見通しが立っていない。職域接種に使う米モデルナ製ワクチンについて、国の供給体制が整わないため。承認を受けた企業・団体も、予定する数量が提供されるかどうか懸念を募らせている。 (藤井俊行)

 両県によると、島根県内は16企業・団体が申請し、6企業・団体が承認済み。42企業・団体が申し込んだ鳥取県内は14企業・団体が認められ、一部で接種が始まった。

 ただ、国はモデルナ製ワクチンの供給計画を上回る申請が全国から寄せられ、供給不足に陥る懸念があるとして、6月25日に受け付けを一時停止。接種計画の承認手続きも滞った。

 鳥取市は県東部5市町の小中学校の教職員ら3千人を対象に、7月10日からの予定で申請したが、6月24日に厚生労働省から、ワクチン供給は困難との連絡があったという。

 市教育委員会は県東部医師会などと連携して医師を30人以上確保し、授業がない夏休み中に接種を終える方針だったが、見通しが立たなくなった。

 承認されていても、数量の確保を含め、予定通り実施できるかどうかを懸念する声が県に寄せられているという。

 3200人分で7月14日に開始する計画の承認を受けた鳥取商工会議所は、現時点で数量が不足するといった連絡は同省から入っていないものの、ワクチン保管用の冷凍庫が予定通りに届かないなど、準備に影響が出ている。

 企画広報課の佐藤順課長は「ワクチンが予定通りに来ると信じて準備する」と話すが、会員企業や関係機関に接種の案内を送っているだけに先行きに気をもむ。