陶芸家・内田和秀さん(50)=松江市法吉町=の築窯20周年を記念した個展が11日、松江市殿町の紫泉堂ギャラリーで始まった。花器や茶器、つぼなど深い青色に繊細な模様が施された約80点が来場者の目を引いている。15日まで。
内田さんは1996年、陶芸家を目指して岡山県瀬戸内市で備前焼を学んだ。2004年に雲舟窯を築き、工芸界最大規模の公募展「日本伝統工芸展」に6回入選。21年に日本工芸会の正会員になった。
個展では築窯初期に制作していた備前焼や志野焼のほか、和風の幾何学模様をつけた作品が並ぶ。
3年前から作り始めた酒気「縹繧(ひょううん)片口~銀漢~」は、天の川をイメージした。白、青、黒の釉薬(うわぐすり)を重ねて焼き、ひび割れた部分に沿って丁寧に銀色の釉薬を塗った。光が当たるときらきらと輝き、満天の星空を感じさせる。
作品を購入した松江市殿町の自営業、尾崎浩一さん(69)は「色合いが夏の夜みたいできれい。お酒を飲むのが楽しみ」と笑顔で話した。
(小引久実)