橋詰峯子さんの作品「星月夜」(手前)を見る来場者=松江市袖師町、島根県立美術館
橋詰峯子さんの作品「星月夜」(手前)を見る来場者=松江市袖師町、島根県立美術館

 【松江】岡山、広島、島根、鳥取県の伝統工芸作家の作品が並ぶ「第66回日本伝統工芸中国展」が21日、松江市袖師町の島根県立美術館ギャラリーで始まった。陶芸、人形、染織、漆芸、木竹工、金工、七宝の7部門の115点が展示され、来場者は巧みな技術に感心しながら鑑賞している。26日まで。

 山口県を除く中国4県の作家で組織する日本工芸会中国支部などが主催し松江での開催は4年ぶり。山陰からは島根19人、鳥取6人の作家が出展している。

 会場中央には賞に選ばれた16点が集まる。最高の金重(かねしげ)陶陽(とうよう)賞は橋詰峯子さん(75)=鳥取市立川町=制作の有線七宝蓋(ふた)物(もの)「星(ほし)月(づく)夜(よ)」が受賞。紺や青の釉薬(ゆうやく)で鮮やかに彩った幅約14センチの球状の銅胎に、細かく刻んだ銀線をちりばめ、幼い頃に見た田舎の夜星の美しさを表現した。次の日本工芸会賞には漆芸の高橋香葉さん(56)=松江市天神町=が手がけた籃胎蒟醤小箱(らんたいきんまこばこ)「叢(くさむら)」が選ばれた。

 実行委員長の陶芸家、内田和秀さん(49)は「中国4県の作家が力を入れて作ったバラエティーに富んだ作品を見ることができる」と来場を呼びかけた。

 午前10時~午後6時(最終日は午後5時)。(坂上晴香)