京都市内で2019年に起きた京都アニメーション放火殺人事件で犠牲になった渡邊美希子さん=当時(35)=の母、達子さん(75)と兄の勇さん(46)がこのほど、松江市内で「想いと願い」と題して講演した。事件発生直後の対応や事件への思いを語った。4回続きの最終回。

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 ■20回を超える審理

 (勇さん)「その後、事件の公判が行われるわけです。2023年9月から始まって、22回審理がありました。被害者支援の制度の中で、裁判参加制度を活用し、8割方出席しました。公判の前後で、自分の考えや感じているものが変わっているなということもありました」

 「公判前は、事件があって被告の情報やいろんなものをメディアから得ること...