大学生に命の大切さを訴える江角弘道さん=松江市西川津町、島根大
大学生に命の大切さを訴える江角弘道さん=松江市西川津町、島根大

 飲酒運転の車による事故で娘を亡くした江角弘道さん(79)と妻の由利子さん(76)=出雲市斐川町神氷=が5日、松江市西川津町の島根大で講演し、大学生約90人に家族を失った心情と命の大切さを語りかけた。

 江角さんは1999年12月、鳥取大3年生だった次女の真理子さん=当時(20)=を亡くした。友人と車に乗っていた真理子さんは鳥取県智頭町の国道のトンネルを出る直前、中央線を越えてきた飲酒運転の車と衝突し巻き込まれた。

 弘道さんは事故当時、人と会うたびに事故について話すことがつらく、買い物も遠くのスーパーに行っていたと話した。

 弘道さんは車を運転できる大学生に向けて「車は使い方を間違えると殺人の道具になる」「被害者にも加害者にもならないで」と訴えた。

 法文学部3年の高橋和愛(のあ)さん(20)は「意識すれば加害者になる人を減らせる。大切なことだと思った」と話した。

 講演は地域社会で安心、安全な暮らしを維持するために必要なことについて学ぶ講義「地域社会の生活と安全」の一環で開いた。

(松本ひろ)