溶けた鉄の塊の「鉧出し」をする参加者=出雲市斐川町直江、斐川西中学校
溶けた鉄の塊の「鉧出し」をする参加者=出雲市斐川町直江、斐川西中学校

 日本古来の製鉄方法・たたら製鉄を体験する「たたら学校」が9日、出雲市斐川町直江、斐川西中学校であった。中高校生ら25人が簡易式の炉を作り、砂鉄と木炭による製鉄の仕組みを学んだ。

 たたら製鉄の文化やものづくりに関心を持ってもらおうと、学識経験者や教育関係者でつくる任意団体「ものづくり教育たたら」(会長・永田和宏東京工業大名誉教授)が企画した。

 参加者は永田会長(77)が考案した簡易炉を作成。れんがやコンクリートブロックを積み上げて高さ約1・4メートルの炉を3基作り、10分おきに砂鉄と木炭を入れた。火入れから約6時間後、砂鉄が溶けた鉄の塊を取り出す「鉧(けら)出し」をし、金づちで不純物を落とした。

 参加した斐川西中2年で科学部の佐藤想流(めぐる)さん(13)は「金属の光沢が見えた瞬間は感動した」と満足げだった。

 団体の矢野俊人副会長(67)=出雲市斐川町求院=は「ものづくりの喜びや楽しさを広げていきたい」と話した。

(片山皓平)