島根県吉賀町出身のファッションデザイナーで、文化勲章を受章した故・森英恵さん(1926~2022年)の文章にスポットを当てたコレクション展「印刷物の中の森英恵」が益田市有明町の県立石見美術館で開かれている。デザイナーへの扉を開いた1950年代から、晩年の2010年代にかけて書いた寄稿文や著書など29点を展示している。7月22日まで。
森さんは1951年、東京・新宿に洋裁店を開いた後、54年からは映画衣装の制作に携わった。
会場には、映画会社5社を掛け持ちした日々をつづった洋裁雑誌「装苑」の56年11月号の掲載記事「わたくしの店、わたくしのお客さま」をパネル展示。「ジジーン! けたたましい電話のベルで目を覚ます」と冒頭から電話の音で読者を引き込み、衣装作りに励む慌ただしい日常を紹介している。
担当した同美術館の広田理紗専門学芸員(41)は「1960年代までのテキストを中心に紹介した。軽妙さのある文体を楽しんでほしい」と話した。
(中山竜一)













