7日未明に山陰両県上空で発生した線状降水帯がもたらした大雨は、週末まで続く見通しだ。一度降りやんだようにみえても、河川の氾濫や土砂災害の危険性は依然として残る。専門家は「自分の身を守ることを徹底してほしい」と呼び掛けている。 (佐貫公哉)
土石流や崖崩れなどの土砂災害は、雨が降っている時だけに起こるとは限らない。長雨で土壌に水がたまり、雨上がりの晴れた時に崩れる場合も少なくない。
予兆には、普段水が流れない所での多量の水流の出現、腐った土の臭いが漂うといった現象があるとされる。
だが、自宅の裏山を見て回るといったことは注意が必要だ。鳥取大の和田孝志助教授(砂防工学)は「兆候の確認のため出歩くとかえって危ない」と話す。できる限り自宅からの目視にとどめ、公開されている雨量や水位のデータで状況を把握しながらの慎重な行動を勧める。
河川の水位も油断は禁物だ。一度は水位が下がっても水害の危険性がすぐになくなるわけではない。
島根大の矢島啓教授(河川工学)は「上流域で雨が降ることによって、下流で再び水位が上がり、氾濫につながることがある」と指摘する。
河川の規模によって氾濫に至る時間が異なることにも注意が必要だ。斐伊川といった大きな川では氾濫するまでに数時間から丸一日程度かかるが、小さな川だと1時間足らずの雨でも下流であふれる恐れが十分にある。小さな川に近い住民こそ、早めに逃げる必要があるという。
災害への備えとして、島根大の松本一郎教授(防災教育)は、緊急時にはいろいろな情報が飛び交うようになるとして「デマに惑わされないように」と注意を促し、行政が出す正確な情報の把握が大切だとした。











