米空軍航空図の複製で竹島の境界を確認する来庁者=浜田市殿町、市役所
米空軍航空図の複製で竹島の境界を確認する来庁者=浜田市殿町、市役所

 日韓両国が領有権を主張する竹島(隠岐の島町、韓国名・独島(トクト))の問題を伝える県竹島資料室の出張パネル展が浜田市役所の本庁舎ロビーで開かれている。竹島が日本領だと明記した米国政府作製の地図や、浜田と竹島のつながりをまとめた「ゆかりの地マップ」が掲示され、市民の関心を引いている。29日まで。

 地図は、1954年12月に発行された米空軍の航空図。韓国・鬱陵島(ウルルンド)と竹島の間に「主権の境界」(国境)を示す点線が引かれ、米国が竹島を日本領と認識していたことが分かる。展示は複製を並べている。

 ゆかりの地マップは、江戸後期に地元の回船問屋・今津屋八右衛門が浜田藩の黙認のもと、竹島への渡海名目で鬱陵島に渡って密貿易していた事件を地図付きで紹介。事件発覚で八右衛門は死罪になったが、当時の裁きの判決文からは、竹島への渡海は禁じられておらず、幕府が竹島を自国の領土だと認識していた状況を解説している。

 竹島問題を一から説明する「小学生から分かる入門編」のパネルや県の啓発の取り組みも紹介している。

 授業で竹島問題を学ぶことがあるという浜田水産高校専攻科2年の右田美優さん(19)は「航空図は竹島が日本領であることがすごく分かりやすい。平和的な解決を進めてほしい」と話した。 (勝部浩文)