出雲市がこのほど、インターネット上の仮想空間「メタバース」を活用した婚活イベントを開き、6組のカップルが成立した。お互いの顔は分からず、参加者は画面上のアバター(分身)で会話を楽しみ、今後はアバターでのデートから実際に会うデートを経てカップルを目指す。
市縁結び定住課が一般社団法人メタバース婚活協会(東京都)の協力を得て昨年に続き企画した。市内外から30代を中心に男性11人、女性6人が参加した。
それぞれ自宅などのパソコンのメタバース空間上で自己PRや異性との一対一でのトークなどをした。初対面で直接、話すより、若者が慣れたネット上での会話が親しくなりやすい。
出雲市役所では縁結び定住課の職員がイベントの様子をパソコンの画面越しに見守り、市内のお薦めデートコースを紹介。結果発表でカップルが成立するたびに職員から拍手が起きた。
成立したカップルは14日にアバターでのデート、21日には希望者を対象に出雲市内で実際に会ってお互いの相性を確かめ合う。
参加した松江市の30代男性は「画面越しに会うのは最初は戸惑ったが、話しやすかった。次のデートが楽しみ」と満足そうだった。
縁結び定住課の岡敬一郎課長は「顔が分からないだけに、落ち着いて話せるのがメタバースのよさだと思う。婚活への有効なツールでもっと広めていきたい」と話した。
(佐藤一司)