岡野元房さんの和紙彫刻作品「大切な物を運ぶ2人」を見る来館者=鳥取市覚寺、渡辺美術館
岡野元房さんの和紙彫刻作品「大切な物を運ぶ2人」を見る来館者=鳥取市覚寺、渡辺美術館

 鳥取県岩美町牧谷を拠点に活動する彫刻家岡野元房さん(58)の個展が鳥取市覚寺、渡辺美術館で開かれている。因州和紙で人を形作り発光ダイオード(LED)照明を仕込んで青や緑、赤に光る和紙彫刻作品が目を引く。9月29日まで。

 「愛」をテーマに作品約40点が並ぶ。和紙彫刻作品「大切な物を運ぶ2人」は高さ2.5メートルほどの人物2体を形作った。モヤモヤした青い物を持ち、顔面左側に「LOVE」と書いてある。右目のQRコードを読み込むとウクライナなど戦地の写真に飛ぶ仕掛けになっている。大切な物とは何かと考えさせられる。

 自作の詩の世界を墨絵28点で表した作品「海の底 星の貝」は、海に落ちて貝になった星を描き、架空の文字を添えて神秘的な雰囲気を醸し出す。

 午前10時~午後3時(土日曜祝日は午後5時まで)。火曜休館。入館料は一般900円、高校・大学生500円、小中学生300円。(桝井映志)