雲南市大東町上佐世のレジャー施設「心の駅陽だまりの丘」が、夏休みに実施する「ひまわり迷路」の入場料を全額、能登半島地震の被災地への支援に充てる。同施設は3月から毎月、収益の一部を義援金として日本赤十字社に寄付しており、オーナー理事の田中隆さん(81)は「現地に支援の心を届けたい」と思いを語る。
同施設は1月の能登半島地震を受け、施設内にある巨大迷路「ドラゴンメイズ」の入場料の一部などを義援金として寄付。これまでの総額は25万6千円に上る。
「できるだけのことをしたい」という思いの根底には田中さんの災害体験がある。1964年の山陰北陸豪雨で同町内にあった自宅や母親の養鶏場が倒壊したという。助け合いの精神から2004年の新潟県中越地震や11年の東日本大震災では、当時事業で手がけていたミネラルウォーターを現地に届けた。
ひまわり迷路は毎年夏に期間限定で開く催しで、約700平方メートルの敷地にヒマワリを同心円状に配置し、迷路を形作る。来場者はしおりを受け取り、迷路内のスタンプを探し、出口を目指す。入場料は300円。
田中さんは「復興に向けて、思いの輪が広がればうれしい」と、入場料が寄付されることを伝える看板を立てた。7月末に来場した永川栄仁(えいと)さん(10)=倉吉市河北町=は「ひまわりの景色を見ながら進むのが楽しかった。寄付はいいことだと思う」と話した。
猛暑で花は傷んでいるが迷路は20日まで続ける。午前9時~午後5時。期間中無休。 (山本泰平)