閉店後の店内で大社高校ナインを応援する兵庫宏信代表(左から2人目)=出雲市大社町杵築南
閉店後の店内で大社高校ナインを応援する兵庫宏信代表(左から2人目)=出雲市大社町杵築南

 地元・出雲市大社町では多くの住民がテレビにくぎ付けになり、甲子園で奮闘する選手に声援を送った。

 出雲大社前の神門通り沿いに広がる住宅街では、試合が始まった午後3時半ごろから人通りが途絶えた。自宅で応援できるように終業時間を30分繰り上げた地元の水産会社などもあり、住宅からは試合を伝えるテレビの実況中継が漏れ聞こえた。

 通り沿いにある飲食店「みちくさ」(大社町杵築南)では、そばの売り切れもあって早めに閉店した。代表の兵庫宏信さん(48)ら6人が、片付け作業をしながらテレビで見守った。4強入りは逃したものの、「本当によくやった。歴史に残る試合をしてくれ、地元も一つになった」とナインをたたえた。

 通り近くにある飲食店「きんぐ」(大社町杵築東)では、観戦用の焼きそばなどの出前が急増した。初戦は140食、この日も40食の注文があり、従業員らが慌ただしく配達した。店主で大社高OBの吉田一久さん(52)は「お客さんの大半が試合を見ており、配達先で試合経過を聞いた」。試合後は「本当にお疲れさまでした」とねぎらった。

 大社高OBで、設備工事の杉原本店(大社町杵築西)の杉原保専務(69)は、町内での作業の合間に「どうしても気になる」と、ラジオに耳を澄ませて試合の状況を確認。後輩たちの活躍に胸を熱くしていた。

 甲子園と地元・出雲市大社町とで、熱い一日が終わった。(佐藤一司、片山皓平)