床下に堆積した土砂をかき出すボランティア=出雲市口宇賀町
床下に堆積した土砂をかき出すボランティア=出雲市口宇賀町

 山陰両県の各地に被害をもたらした大雨がやみ、迎えた週末の17日、出雲市と雲南市内の被災地には多くのボランティアが駆け付け、土砂の撤去などに汗を流した。雲南市の一部では孤立状態や断水が依然続くなど、復旧に手が回っていない状況もあり、ボランティアセンターは引き続き参加者を募集する。

 川が氾濫し、複数の住宅で浸水被害があった出雲市口宇賀町。被災した農業の黒崎文夫さん(82)宅では、14人のボランティアが床下に堆積した土砂をかき出した。災害ボランティアに初めて参加したという会社員の青戸淳之介さん(22)は「片付けがこんなに大変だと思わなかった」と汗を拭った。

 作業を見守った黒崎さんは「思い出があるものがたくさん水に漬かった。親族だけではとても無理だったので、大変助かる」と感謝した。

 作業は新型コロナウイルス対策を徹底したほか、熱中症予防で小まめに休憩を挟み水分を取った。

 出雲市災害ボランティアセンターによると、17日は活動7件で40人を派遣した。雲南市内は11件58人だった。両ボランティアセンターは被災者からの支援要請は増えているとして、ボランティアの協力を呼び掛ける。

 島根県によると、17日午後3時時点で、住宅被害は全壊4棟、半壊8棟、一部破損176棟。住宅の床上浸水63棟、床下浸水400棟。雲南市の3世帯8人がいまだ孤立状態で、473世帯が断水している。 (片山皓平)