1966年の静岡県一家4人殺害事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)の裁判をやり直す再審で、静岡地裁(国井恒志裁判長)は9月26日に判決を言い渡す。戦後、死刑事件の再審判決は4件。全てで無罪が言い渡され、袴田さんも無罪となる公算が大きい。半世紀以上にわたり冤罪(えんざい)を訴え、死刑執行におびえながら続けた闘いに終止符は打たれるのか。弁護団や支援者は、冤罪を生む捜査や裁判の在り方を断じる判決を期待する。

 「裁かれるべきは警察、検察、弁護人、裁判官。信じがたいほどひどい冤罪を生み出した司法制度だ」。袴田巌さんの...