報道陣の取材に応じる米子松蔭高校の長崎成輝校長(17日)=米子市車尾、どらドラパーク米子市民球場
報道陣の取材に応じる米子松蔭高校の長崎成輝校長(17日)=米子市車尾、どらドラパーク米子市民球場

 新型コロナウイルスの感染者が確認され、開催中の第103回全国高校野球選手権鳥取大会への出場辞退を迫られた米子松蔭高校が18日、主催者の鳥取県高校野球連盟に対し、嘆願書を提出し、大会への復帰を求めた。県高野連は19日に対応を協議する。

長崎成輝校長が大会会場のどらドラパーク米子市民球場(米子市車尾)を訪れ、県高野連の国岡進副会長(鳥取西高校長)に手渡した。

県高野連の田村嘉庸理事長(倉吉東高教諭)は、具体的な救済策について明言を避けたが「19日朝に対応策を協議する」と話した。

米子松蔭は春季県大会の優勝校。今大会は第1シードで優勝候補だった。チーム初戦の2回戦を翌朝に控えた16日深夜、学校関係者1人の感染が判明。野球部員や顧問ら46人は抗原検査を独自に行い陰性だった。

しかし、試合開始前に、部員や顧問が感染者や濃厚接触者でないことを公的に証明する時間がなく、米子保健所など関係機関と協議を重ね、辞退を判断した。

長崎校長は、感染者や濃厚接触者は出場できないという規定や、対戦校の立場に理解を示した上で「他校でも起こりうる。大会日程の再調整は難しいと思うが、今後のために配慮してほしい」と望んだ。

米子松蔭に同情的な声は市民らの間にもあり、18日は、気持ちの持って行き場がない複数人が米子市役所への訪問やメールで救済への後押しを要望。伊木隆司市長は「努力を重ねてきた高校生の活躍の場が過度に制限されないことを望む」とのコメントを発表した。

インターネット上では大会出場を求める電子署名活動も展開された。