自民党総裁選は27日、党本部で投開票され、石破茂元幹事長(67)=衆院鳥取1区=が第28代総裁に選出された。1回目の投票で過半数に達した候補者はなく、上位2人による決選投票の結果、石破氏が高市早苗経済安全保障担当相(63)を破った。10月1日召集の臨時国会で、岸田文雄首相の後継となる第102代首相に指名される。早期の衆院解散・総選挙が取り沙汰されており、石破氏の判断に注目が集まる。
鳥取県選出の国会議員が総裁、首相となるのは初めて。山陰両県からの首相の誕生は島根県の若槻礼次郎、竹下登両氏に続く3人目で、1987年以来、37年ぶり。任期は2027年9月までの3年間。石破氏は党役員人事に着手し、新執行部を発足させる。
石破氏は1回目の投票で高市氏に続いて2位だったが、決選投票で逆転した。
衆院選を巡り、与党内には、首相の所信表明演説と衆参両院の代表質問の直後に解散すべきだとの声が根強い。10月27日や11月10日投開票の見方がある。石破氏は「なるべく早期に信を問うのは当然だ」と述べていた。
石破氏は総裁選で、地方創生を政策の柱の一つに掲げ、「防災省」の創設を主張。政党交付金の使途などを明確化することを義務づける「政党法」の制定など政治改革に取り組む姿勢を訴えた。
総裁選は岸田氏の総裁任期満了に伴うもので、派閥裏金事件に端を発する派閥解消の流れを受け、過去最多9人の争いとなった。石破、高市両氏のほか、小林鷹之前経済安保相(49)、林芳正官房長官(63)、小泉進次郎元環境相(43)、上川陽子外相(71)、加藤勝信元官房長官(68)、河野太郎デジタル相(61)、茂木敏充幹事長(68)が立候補した。
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略歴 石破茂(いしば・しげる)氏
鳥取県八頭町(旧郡家町)出身。慶応大法学部卒。銀行員を経て1986年の衆院選で初当選。防衛庁長官、防衛相、農林水産相、党政調会長、党幹事長、地方創生担当相などを歴任。67歳。鳥取1区、衆院当選12回(無派閥)。











