たたら製鉄について理解を深める参加者=島根県奥出雲町大谷、絲原記念館
たたら製鉄について理解を深める参加者=島根県奥出雲町大谷、絲原記念館

 利用者の減少が続くJR木次、芸備両線の存続に向け、島根、広島両県の官民でつくる任意団体が26日、島根県奥出雲町の観光地や飲食店を巡るモニターツアーを初めて企画した。参加者から鉄道を組み合わせた旅に高評価が寄せられ、今後の利用促進策に生かす。

 団体は、沿線の個人、団体で構成する「JR木次線芸備線県境付近関係者会」。JR西日本が木次線を走るトロッコ列車「奥出雲おろち号」の運行終了を発表し、芸備線の在り方を沿線自治体と協議する意向を示したことに危機感を抱き、利用者獲得の参考にしようと実施した。

 両線を組み合わせたツアーに参加した12人は、備後西城駅(広島県庄原市)から亀嵩駅(島根県奥出雲町郡)まで乗車。貸し切りバスも使い、江戸時代に松江藩の鉄師を務めた絲原家の文化遺産を紹介する絲原記念館、道の駅「奥出雲おろちループ」などを回った。

 絲原記念館では、絲原家が木次線の前身に当たる簸上鉄道建設に尽力したことや、たたら製鉄が町の生活基盤にあった歴史について理解を深めた。

 庄原市から参加した自営業、片山悟さん(70)は「観光地をただ巡るだけでなく、歴史を含め、鉄道を組み合わせた旅で楽しかった」と話した。

 関係者会の糸原寿之世話人(70)は「次は庄原市を中心としたツアーを組むなどし、利用促進の可能性を探りたい」と述べた。

      (清山遼太)