マッサージをして肩もみを終えたら「おとう」と同じ布団に潜り込む。ぎゅっと抱きしめてもらうと、安心して眠りに落ちる。沖縄県多良間村立多良間小5年の佐久本たらま(11)は、近くに住む桃原邦夫(72)の家を訪ねると、そのまま泊まっていくことが多い。

 「おとう」と血のつながりはない。赤ちゃんの頃、邦夫の長女愛(20)に毎日のように面倒を見てもらった。以来、一家とは家族ぐるみの付き合いが続いている。愛は今、沖縄本島の専門学校に通っていて実家にはいないが、たらまは邦夫を慕って...