昨年12月にあった第77回全国高校バスケットボール選手権で男子の鳥取城北が山陰勢としては初めて準優勝した。延岡学園(宮崎)、福岡第一などの強豪を破り、高校バスケ界の勢力図を塗り替える大きな足跡を残した強さの秘密を探った。(報道部・小豆沢颯太)

学校を挙げた支援が躍進の原動力
恵まれた体育館やトレーニング機器に魅力感じ、鳥取県外からも有望な選手が入部
相撲や野球では、以前から強豪校として知られていた鳥取城北。その中で、男子バスケットボール部が力を付けた背景には学校を挙げた支援があった。部専用の体育館や最新のトレーニング機器といった恵まれた練習環境に魅力を感じ、国内外から優秀な選手が集まる好循環が生まれた。

結成されたばかりの新チームの選手たちが汗を流すのは改修してから5年がたった「城翔アリーナ」。常時、オールコートが使用でき、曜日や時間帯を気にせずに思う存分練習できる男子バスケットボール部専用の体育館だ。少し離れた場所には、トレーニング施設もある。
こうした恵まれた環境は、1964年の創部当時から整っていたわけではない。以前の体育館は雨漏りがあり、床板は反り返ることもあった。また、他部と共用だったため練習時間にも制約があった。2019年に男子バスケットボール部が県総体で優勝したことがきっかけとなり、...