日蓮宗の僧侶が冷水をかぶって身を清める「水行式」が28日、出雲市馬木町の馬木不動尊光明寺であった。時折雪が降る厳寒の中で6人の僧侶が経文を唱え、五穀豊穣(ほうじょう)や世界平和を祈った。
不動明王の新年初の縁日・初不動尊に合わせて1975年から毎年行っている。境内にむしろを敷き、100日間の苦行「大荒行」を経験した土井裕翔住職(49)や、県内から集まった僧侶が「水行肝文」という経文を唱え、手おけで水を何度もくみ上げて勢いよくかぶった。
見守った約200人の参拝者は、水しぶきを上げながら一心に水行する僧侶の姿に手を合わせ、願掛けした。7カ月の女児を連れて訪れた出雲市斐川町求院の会社員守谷珠美さん(39)は「すごい迫力だった」と話し、家族の健康を祈った。
水行後は信者から申し込みがあった祈願の成就を祈る法要や豆まきがあった。
(佐藤一司)