サッカーを中心に各種高校スポーツを取材していると、各都道府県のあらゆる競技に、何度も全国大会に出場したり、多くの名選手を輩出したりしている強豪校・伝統校があるのを知る。

 6年前、ソフトテニスのインターハイ(全国高校総体)女子団体戦で埼玉平成が初優勝を成し遂げた。監督に話を聞くと、30年以上前に赴任したときの目標は全国優勝どころか、「地区大会を勝ち抜いて、県大会に出場することだった」そうだ。どんなチームも初めから強いはずはなく、初勝利から一つずつ積み重ねて、強豪と呼ばれるようになっていくのだと再確認した。

 そんな歴史の始まりになるかもしれない、記念すべき瞬間に立ち会った。2...