地元の伝統芸能に触れてもらおうと、松江市鹿島町名分の鹿島中学校で5日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産「佐陀神能」の鑑賞会があった。3年生約50人が勇壮な舞を間近で見つめた。
伝統的な能や古里の歴史に触れる授業として、10年以上続く。生徒は事前学習で衣装をまとったり、奏楽の体験をしたりして理解を深めてきた。
この日は佐陀神能保存会の6人が、スサノオノミコトのヤマタノオロチ退治を題材にした演目「八重垣」を披露した。生徒は立ち姿のヤマタノオロチが、足や手を細かく動かして、ヘビのように見せる様子や鼓を酒だるに見立てるといった、佐陀神能の特徴に見入っていた。
鑑賞した權田英大(えいた)さん(15)は「オロチの動きを再現しているのがよく分かった」と伝統芸能の特徴を学んだ様子だった。保存会の石橋淳一会長(54)は「伝統文化を誇ってもらい、一緒につないでほしい」と願った。(森みずき)