JR西日本が秋のダイヤ改正で山陰線などを走る普通列車の大幅な減便を示したのを受け、島根県鉄道整備連絡調整協議会長の丸山達也知事が5日、新型コロナウイルス感染拡大の収束後に速やかに元に戻すよう求める要望書を、JR西米子支社に提出した。
要望書は「大幅なダイヤ削減は県民やビジネス客、観光客の利便性を低下させる」と指摘。新型コロナ収束後の速やかな復活▽ダイヤ改正前の事前周知▽定時制生徒の通学に欠かせない夜間便維持など沿線自治体の個別要望への配慮|など4項目の対応を求めた。
丸山知事は米子市弥生町の米子支社で「コロナ禍で厳しい経営環境にあるのは理解している」とした上で「回復後も維持されることは許されない」と強くけん制。需要の回復状況を見ながら減便を解消するよう求めた。
応対した佐伯祥一支社長は「利用者は20年前に比べ3~4割減少し、利用状況と列車本数の乖離(かいり)が拡大している」と説明。「要望内容を検討したい」と述べた。
10月2日のダイヤ改正では山陰、伯備、因美、境の4線で18本を取りやめ、一部区間の最終列車の時刻を繰り上げる。(山根行雄)