「死は未知のもので/未知のものには細部がない」と書いた詩人が逝った。もう彼は何も見ず何も思わず何も語らない。

 詩集「二十億光年の孤独」を、私は確か新潟の砂浜、沖に佐渡が見え、トゲトゲの浜茄子(はまなす)が咲く砂浜で読んだ。「万有引力とは/ひき合う孤独...