大田市三瓶町上山地区で6日、三瓶さくら祭りがあった。住民が植樹を始めて20年の節目で、これまでに農道沿い約7キロに複数の品種の桜6200本を植え、春の三瓶山を代表する名所になった。同日は現地で記念式典を開き、桜を生かした地域活性化や観光・産業振興の思いを新たにした。
上山地区の桜は、2005年度の農道開通に合わせ、住民でつくる「桜の里づくり実行委員会」が植樹を始めた。品種は里山になじむようエドヒガンザクラ3千本、ヤマザクラ1600本、オオシマザクラ1500本などを植えた。
企業・団体の資金協力も得て、下草刈りや間伐の管理を続け、今では幹の直径が30センチを超すまでに成長した木もある。多くが花を咲かせるようになった16年からは毎年春に祭りを開き、市内外から2千人を超える来訪者を集める。
この日はメイン会場の東上山駐車場で、住民や行政、取り組みを応援する企業・団体の関係者40人が出席し、記念式典を開催。20年間の歩みを振り返り、くす玉を割って祝った。同実行委員会の和田徹会長(67)は、年々大きく育つ桜を眺め「これからますます見応えが出てくる。5、10年後が楽しみ。地域の観光や産業振興につなげたい」と意気込んだ。
今年は開花が遅れており、現在はごく一部が咲き始めた段階で、4月下旬まで楽しめそうという。
(勝部浩文)