東京パラリンピック開幕までの流れ
東京パラリンピック開幕までの流れ

 東京五輪が閉幕し、大会組織委員会は24日開幕のパラリンピックの準備を加速させる。組織委の武藤敏郎事務総長は9日、パラの新型コロナウイルス感染症対策について「アスリートの中には基礎疾患のある人や介護者が付いている人もいる。きめ細かな対応と五輪とは違った配慮が必要だ」との考えを東京都内で記者団に示した。コロナ対策の強化や観客の扱いが課題になる。

 武藤氏はパラの観客対応を巡り、会場のある自治体、政府、国際パラリンピック委員会(IPC)などと協議して、早期に結論を出す考えを表明。会場がある自治体の児童や生徒を対象とした「学校連携観戦プログラム」で、子どもたちの観戦機会を確保する案については「パラは五輪とは違う教育的意味合いがあるが、感染が収まらない中で難しい判断になる」と述べるにとどめた。

 五輪について「パンデミック(世界的大流行)の中で世界規模のイベントが開催可能だとの事実を示した。そのこと自体が語り継がれるレガシー(遺産)になる」と強調した。1年延期決定後も中止を前提に検討したことはないと説明。「観客を入れるべきだとの意見もかなりあったが、無観客は結果として正しい判断だったと思う」と振り返った。

 組織委によると、五輪では海外から選手や大会関係者ら約4万3千人が来日し、8日までに約2万4千人が帰国した。9日に約1万人、10日に約4千人が出国する見通しという。