近藤裕さん
近藤裕さん

近藤裕さん(91)=東京都国分寺市=

 中学生だった近藤裕さん(91)は、勤労動員で米子の工場へ行くため、友人と列車に乗っていた。大山口駅付近で、警戒警報が空襲警報に切り替わり、米軍の艦載機が襲来するのが見えた。100機を超える艦載機のうち、40機が列車を銃撃し始めた。30分にわたり続く攻撃の中、死体が折り重なる出入り口ではなく、窓から逃げ、車体の下へ身を潜めた。近藤さんは「辺りはとにかく死人とけが人。首がゴロンとしたり背中は皮がめくれたり。地獄絵図のようで、怖かった」と語る。米軍機は、機銃掃射やロケット弾の集中砲火を執拗に浴びせ、45人以上が死亡した。