死去したジェリー藤尾さん
死去したジェリー藤尾さん

 ヒット曲「遠くへ行きたい」で知られ、俳優としても活躍した歌手のジェリー藤尾(じぇりー・ふじお、本名藤尾薫紀=ふじお・しげき)さんが14日午前4時52分、急性肺炎のため横浜市の親類宅で死去した。81歳。中国・上海生まれ。葬儀は近親者で行う。喪主は次女板谷亜紀(いたや・あき)さん。

 英国人の母と日本人の父の間に生まれ、戦後、中国から引き揚げた。高校在学中に歌っていたジャズ喫茶でスカウトされ、1958年、日劇ウエスタンカーニバルに出演、61年「悲しきインディアン」でデビューした。

 奔放でコミカルなキャラクターが受け、NHKの人気バラエティー番組「夢であいましょう」などで活躍。同番組で62年に発表した「遠くへ行きたい」が大ヒットし、スターとなった。

 俳優としては、増村保造監督の「偽大学生」、黒沢明監督の「用心棒」など多くの映画に出演。最近では、2019年にテレビドラマ「やすらぎの刻(とき) 道」で元スターを演じ、今年の元日に放送された「日本歌手協会 新春12時間歌謡祭」が最後の出演となった。